皆さんはパリの街中に流れている川の底に沈んでいるものについて考えたことありますか?フランス・実はパリにあるカナル・サンマルタンでは2001年に清掃を目的として排水されたことがあります。今回は、その清掃時に川のそこからどんなものが引き揚げられたのか紹介します。

この川の清掃プロジェクトの開始は、1月にイギリスの大手新聞社「ガーディアン」により報じられ、3ヶ月に渡って行われました。

1. カナル・サンマルタンの風景

川からは多くの興味深いグッズが発掘されたとか。発見されたものの中には面白いものから美しいものまでありました。環境汚染について考えさせる様々なものも…

一体川の底には何が隠れていたのでしょうか?

2. いよいよ川の排水作業開始!

このプロジェクトはクレーンを使うかなり大掛かりな長期間のプロジェクトでした。まず、大きなコンクリートで川が封鎖されました。

これにより、川を排水する環境が整えられ、宝を発掘する作業が開始されました。

3. 運河に泳いでいる魚たちを確保

運河には、魚がたくさん生息しています。運河の清掃員は、バケツや網を使いながら魚を捕まえていきます。3日間ほどかけて運河に生息している魚を確保する作業を進めます。

清掃員たちは、力を合わせて出来るだけ多くの魚たちを捕まえようと必死…

4. とったどー!

清掃員たちは、運河にいたほぼ全ての魚を捕まえました。それにしてもすごい量の魚!この作業で、様々な大きさや種類の魚が見つかったと言います。

しかし、これからこの魚たちはどこへ向かうのでしょうか?

5. お魚たちの仕分け

まずは捕まえたお魚の重量を量ってから仕分けを行います。お魚の仕分けは全て手作業で一匹ずつ行われます。魚になって考えてみると、もちろん心地の良いものではなさそう…

しかし、死なせてしまったり、捨てられてしまったりするよりはよっぽど良いですよね。ただ、確保したお魚の量が大量かつ全ての作業を手作業で行なっているために相当な時間を費やす必要がありました…

6. 地味に時間が掛かる作業

確保したお魚のほかに、清掃員たちは運河で見つかった全ての物を確認する必要がありました。中には、興味深いものもあれば、気持ちの悪いものもあったと言います。

何年もの間、運河の中で眠っていたものの中の一つにはスーツケースがありました。その後も作業を続けていくと、運河の清掃員によって次々と色々な物が引き上げられていきます…

7. 三角コーン?

運河から発見された物の中には、市が運河の清掃を決定しなければおそらく発掘されなかったであろうものが多く見つかりました。

例えば、写真を見てもわかるように、工事中の場所でよく見かける三角コーンが見つかりました。もちろん、三角コーンは運河を汚染するため、運河から取り除かなければならないアイテムです。

8. ショッピングカートまで

運河の真ん中でショッピングカートが見つかるなんて考えもしませんよね。このショッピングカートがなぜカナル・サンマルタンに沈んでいたのかは分かりませんが、ショッピングカートがお店の外で見つかること自体、日本では考えられないこと。なんでお店の外に持ち出したのでしょうか…

なんにせよ、このカナル・サンマルタンに沈んでいるショッピングカートも運河を汚しているアイテムの一つにすぎないため取り除かれました。

9. コケだらけのオフィスチェア

コケだらけのオフィスチェアも発掘されました。新鮮な空気を求めて運河までやってきたオフィスワーカーがこのオフィスチェアに座った後、持ち帰るのが面倒臭くなって運河の中に投げ捨てて帰ったのでしょうか…

それとも、誰かが捨てたオフィスチェアが通り掛けの人によって空き缶の感覚で運河に投げ入れられたのでしょうか… 後者だと思われますがただの事故だと思いたいものです。

10. たくさん見つかった自転車の数々

自転車?一体誰がこんな風に自転車を捨てたいと思うのでしょうか?動機は?聞く話によると、カナル・サンマルタンからは非常に多くの自転車が引き上げられたと言います。

なんと、最近流行っているレンタル電子スクーターはこのように「川にスクーターを投げ入れる」人がいるために川沿いに駐車することが禁止されているとか。でもなんで川に投げちゃうんだろう…

11. まだまだ出でくる自転車

川に自転車を投げ入れるのはやめましょう!と言わんばかりにカナル・サンマルタンから出てくるコケだらけの自転車たち。この自転車はおそらく誰かが拾って乗り捨てた自転車でしょうが、何よりこの行為は環境汚染にも繋がってしまいますよね。

この自転車はパリ市内で有料で貸し出されている、市内を移動するための自転車だとか…乗り捨て可能とはいえ、川の中に投げ入れるのは流石に利用規約違反なはず。

12. 学習机の数々

怒って生徒が暴れたのでしょうか?カナル・サンマルタンの底からはなんとみなさんも学校で使ったことがあるであろう学習机が次々と発掘されました。

どこかの団体が清掃した際にゴミ出しが面倒になってしまい「川に投げ捨てればいいや!」とでも思ったのでしょうかと疑ってしまうくらいの学習机の数々が発掘されました。

13. ビニール袋、椅子、ベッドフレームまで…

学習机に続き、椅子、ビニール袋、ベッドフレームなどが見つかりました!一体何を考えて運河に捨てたのでしょうか?カナル・サンマルタンはゴミ箱じゃありませんよ!と教えてあげたくなるくらいの家具の量…

カナル・サンマルタンはみんなが散歩しに来たり、リラックスしたりする憩いの場所なのであって、決して、ゴミ捨て場ではないのです…

14. カート

もう一つの嫌な気分にさせた例がこれです。カート?次の写真で車やトラックを見ても、もう驚きもしませんね!ゴミをゴミ箱に持って行かずに運河に投げ捨てる人は一定数居るようです…

一体何故川にゴミを投げ入れてしまうのでしょうか。

15. なんとバイクまで!

自転車や学習机と比べると高価なバイク。カナル・サンマルタンの水が抜かれると、なんと2台のバイクが姿を表しました。排水前は運河の水で隠れていたので分かりませんでしたが、清掃のお陰で見つけることができました。

事故によって運河に落ちてしまったのでしょうか。バイクがどうやって運河に落ちてしまったのか経緯が気になります…

16. まだまだ出てくる自転車

止まらない自転車たち… この後も清掃員たちは運河に沈んでいた自転車を次々と引き上げていきました…

清掃中に引き上げられた自転車の数はなんとペットボトルやプラスチックバッグと同じくらいの量だったと言います。

17. 謎のコンクリートブロック

カナル・サンマルタンの中に捨てられた重いコンクリートブロック。このコンクリートブロックを捨てた人はどうやってここまで持ち運んで来たのでしょうか。そして、何故このコンクリートブロックをここに捨てたのでしょうか?

もっと簡単な廃棄方法があったはず。台風か何かで飛ばされて入ったブロックなのでしょうか…

18. ビールの缶

開けられていないビールの缶も沈んでいました。誰かが最近運河に捨てたものだと思われます… このようなビールの缶やジュースの缶は、清掃員たちが引き上げたアイテムの中でも比較的多いアイテムだったとか。

考えてみれば当然、日常的に手に取る缶などのアイテムは歩いている際にポイ捨てされやすそう…

19. 古いボトルと曲がった金属類

カナル・サンマルタンはパリっ子が誇りに思っているパリの一部。しかし、運河の中には紹介してきたアイテムの他に、古いボトルや曲がった金属類など、水中の生き物にとっては最悪なものばかりが沈んでいたと言います。

この写真では、多くのプラスチック製品が海と川を行き来した様子を伺えます。それにしても、この量は多すぎ…

20. ゴミ屋敷と化したカナル・サンマルタン

排水後のカナル・サンマルタンの姿は予想以上に醜いものでした。自転車やバイク、空き缶や机など私たちが生活するために使っているアイテムの数々が運がから引き上げられました…

近年、バイクなどの大型の物が捨てられていることからも、水中へのポイ捨てはやめましょう。

21. 環境汚染に繋がるポイ捨て

軽い気持ちで色々なものをポイ捨てすれば水質が悪くなってしまい、100,000匹以上の海上生物を殺してしまうとか。また、そのポイ捨てされたゴミを引き上げるためには何十億ユーロの清掃資金が必要になってきます。

みんながゴミを正しく分別し廃棄しなければ、誰があなたのゴミの掃除を行うのでしょうか… 今日から地球環境のために出来ることを考えてみてはいかがでしょうか。